ボーイもガールもゲームボーイ

自分の部屋にゲーム機はおろか、テレビやパソコンがないのは当たり前の時代。親の目を盗んではファミコンを遊んでいたのだが、ゲームボーイの登場でその様子は一変する。気軽に持ち運べるそのゲーム機は、親の目を気にせずどこでも遊ぶことができたのだ。

そこに外へと駆り立てる動機を作ったのが伝説のゲーム「ポケットモンスター赤・緑」である。ポケモンが発売されたのは私が小学5年生の頃だった。当時はまったく存在を知らずに、友達同士がプレイ時間が100時間を超えた状態で通信交換しているのを見て初めて存在を知ったのである。

元々ゲームボーイは、兄の所有物であり家族で移動したり、親戚の家に遊びに行くタイミングでだけ遊ぶことが許された。なのでほとんどは「スーパー桃太郎電鉄」専用機となっていた。一応、他にも「テトリス」「倉庫番」「パズルボーイ」「ゴジラくん怪獣大行進」といったソフトも持っていたが、兄のものということもあり一人で独占することもできず、更には単3電池を4本も使うこともあって家で遊ぶことはあまりなかった。

それが通信ケーブルを使って、モンスターを集めるという今までにないゲーム。そして既に友達が100時間プレイしている実績から確実に面白いであろうソフトを購入するまで、そんなに時間はかからなかった。おそらく人生で初のおねだりソフトだったので、約1ヶ月ほどの家事手伝いを経てミスターマックスにて「ポケットモンスター緑」を買ってもらったのである。ちなみに緑にしたのは、好きな色ということもあるが赤の方が人気でみんな持ってそうだから逆張りをした感じである。実際に交換するのを前提に考えると、その方が良い気もしたので選んだのだが、結局ゲーム自体が面白かったので交換自体はそんなにしなかった。この頃から片鱗はあったのだが、深夜2時まで毎日寝落ちしながらプレイしても割りと平気な小学生だった。ただ四天王戦でレベル上げしてる時のエンディング待ち時間で寝てしまうのは、あるあるではなかろうか。

余談だが祖母はよく海外に遊びに行っていたので、飛行機に乗る機会が多かったのだが、その際に「ANA限定ゲームボーイポケット」を景品で当てて持っていた。（うろ覚えだが祝○○○人目のお客様！的なもので貰えたと言っていた気がする）たしかソフトも付いていてそのソフトが「ポケットモンスター赤」だったのである。このおかげで人と交換せず一人で図鑑を埋めることができたのであった。

それからは自分のものにしたゲームボーイを、ボーイスカウトなどで外でキャンプする時によく持っていくようになる。たしかその年の誕生日でゲームボーイポケット（緑色）を手に入れ、その翌年以降にはゲームボーイライトやゲームボーイカラーも手に入れていた。ゲーム機はリビングにしかないので、親の目を気にせずプレイできるゲームボーイは重宝したのである。まぁ同じ理由でよく友達の家（自分の部屋にテレビとゲーム機がある）でゲームしていたのもあるのだが…

ゲームボーイカラーが出てからは「マリオゴルフGB」「ビートマニアGB2 ガッチャミックス」を特に遊んでいた。どちらも友達が持っているのをみて購入したのだが、限られた小遣いでゲームソフトを買うのはそれはもう慎重になっていたのである。なにしろゲームボーイには電池代もかかるので、小さくなったゲームボーイポケットは電池代も少なくなるかと思ったが単4電池が2本必要なので、稼働時間も減ってしまい結果値段が上がってしまっていたのである。翌年にカラー（こちらは単3電池2本）を買ったのはそういう理由もあったのだ。

今では独占禁止法（当時でも？）に触れそうなコロコロコミックでのみ「ポケットモンスター青」が注文できる用紙がついてくるということで、この時に初めてコロコロコミックを購入したのを覚えている。のちにポケモン青は一般販売もされているが、コロコロでの注文方法は応募者全員サービスという名前で、3000円分の切手を送って、ソフトを届けてもらう形だった。今でいう受注販売といった感じだろうか。今ほどクレジットカードやオンライン決済などは普及していなかったので、子供でも準備ができる切手での応募が主流だったのだろう。

小学生高学年～中学生くらいになると家庭用ゲーム（プレステ）のソフトを購入することが増えたので、実はゲームボーイのソフトが増えることはそこまでなかった。それでも気になるソフトがあれば買っていたし、ゲームボーイアドバンスなんかは限定版も初めて手に入れていた。

「ザ・キング・オブ・ファイターズEX　アドバンスセット」「ロックマンゼロ」「タクティクスオウガ外伝 The Knight of Lodis」「ミスタードリラーA」「ユグドラ・ユニオン」「逆転裁判」「ポケットモンスターファイアレッド」辺りが特に記憶に残っているソフトたちだ。見ての通りたまにしか触らないが、中学生～専門学生の頃まで、かなり長い期間遊んでいたように思う。ゲームボーイアドバンスSPも持っていたはずだが、気付いたらなかったのでたぶんあまりプレイせずに売ってしまったのだろう。

そうして専門学生の頃にはアルバイトをしてお金があったので、ニンテンドーDSとプレイステーションポータブルを発売日に購入することができたのである。