今回は未発売ソフトのInfinityの紹介とプレイログ。
2001年当時、カリフォルニアにあったゲームスタジオaffinixがゲームボーイカラー専用ソフトとして開発を進めていたものの、結局パブリッシャーが見つからずお蔵入りとなった作品だ。2016年にaffinix公式サイトにて開発途中のROMが無料配布された。エミュレータで動作が可能だ。9割方完成済みということだが実際に遊べるのは序盤部分のみ。Githubでソースコードが公開され一応開発は継続中らしい(1年半以上動きはないけど…)。
ゲームシステム
用意された主人公たちの一本道ストーリーとランダムエンカウント戦闘という、いわゆるJRPGタイプのゲームだ。スーパーファミコン時代のJRPGを目指して開発されたらしく操作性やUI周りがかなりよくできている。
戦闘はヘックスタイルマップ上でのタクティカルコンバット。トレジャーハンターGとかライブ・ア・ライブとかああいうタイプの戦闘だ。基本的に素早さの早いものから順に行動するが、オプションでリアルタイムバトルにも切り替えられる。操作に迷っていると敵がどんどん攻撃してくるようになる。十字ボタンに移動や攻撃、メニュー選択が割り当たっていて、ほとんどの行動が十字ボタン+Aボタンの組み合わせ1〜2回押すだけでで行えるのでかなりサクサク行動できる。
オプション画面。バトルモードのところで戦闘速度が切り替えられる。FFのようにウインドウカラーの変更もできるが、GBC作品でこの機能があるゲームは初めてだな。
ストーリー
はるか昔のこと。真ん中の騎士が左右の二人を殺してしまった。この三人が誰なのかは説明がないからよくわからない。神々か何かかな。
主人公、騎士団隊長のコナーは愛する女性アンナが亡くなってからは一線を退いて家に閉じこもっていた。ある日、王様からの使者が家にやってきたところからゲームが始まる。緊急だから城に来いとのこと。
のんびりした小さな村だが、南の方に墓地があり、墓石に向かって話している人や無言で花畑に佇む女性などがいて少し重い雰囲気。
JPRGお約束のタンスや壺覗き。ちゃんとアイテムが手に入る。通貨はオーラム。
村を出て近くにある城へ向かう。ゲームボーイのRPGとしては珍しく、フィールドではマス目が微妙に傾いていて、上下移動のときは画面が斜めに移動する。あまりこういう表現してる作品は見たことなくてちょっと感動してしまった。
城へ入り王様に会いに行く。国の危機で手を貸してくれと言われるが、コナーはもう自分は隊長ではないからと断る。帰ろうとすると石像のような兵器が動き出し兵器を作ってるところを見せられたりする。
王様は夜に待つということで一旦家に帰ってベッドで就寝。夜になって再び城へ。
屋上で王様と話し、結局依頼を受けることになる。山を超えて北へ向かうこととなったが、案内人がいないと危険らしく案内人を探すことに。
村の宿屋にいくと案内人ライアンを連れた行商人がやってきている。北への案内をしてくれと言うと、今はこの行商人に雇われているから行商人と話して権利を譲ってもらえと言う。そりゃもっともだね。
雑魚を倒して200オーラムを稼ぎ、案内人の契約書を商人から買い取る。ライアンが仲間に!
ライアンがいると山へ入れるようになり先へ進むことができる
あの洞窟の中の死体から金品を奪おうと言うライアンに、モラルが無いと反論するコナー。
だが頂けるものはしっかり頂いていこう。
山を抜けると俺の仕事はここまでだとライアンがパーティから抜ける。
山を超えると砂漠地帯。カシムオアシスの町がある。
入ってすぐのところに、ここは自分の町だというハッサンという男がいる。カシム、ハッサン。響きが似てるから自分の町も同然ということらしい。適当な男だ。
なんの理由だったか口論になってコナーがハッサンをオアシスに突き落とそうとする。
ハッサンは「私の店の品物を5%引きにする!ヒィイイ!10%!10%にする!あなた友人ネ!」と懇願してくる。さらにそれだけでは足りないと思ったのか、品物より水よりも大切なルビーのジェムをくれる。
しかしドラクエやウィザードリィにもいたけど、商魂たくましい中東キャラってゲームでよく出てくるのはなんなんだろう。
ルビーはジェムとして装備できる。ジェムは戦闘をこなすことでパワーが溜まり、そのパワーを使っていろいろな能力が付与されるというこのゲーム独自のシステムだ。ルビーは炎系呪文の威力が強化される。
更に先を目指し、砂漠の町の東にある洞窟へ。洞窟内では炎が邪魔しているので村で買った水をかけて消化し進む。
炎の先ではワジ・グタナという炎の魔術師が「千年の業火に焼かれよ!」と襲いかかってくる。戦闘開始かと思いきやその直後、「謀反者グタナ!魔術の塔へ戻りなさい!」女の魔術師が割り込んできて共にグタナと戦うことに。
エリヤという魔術の塔の一番弟子らしい。目的が同じホルブルックだということで、お互いの目的を達成するため一緒に東へ行くことに。
洞窟を抜けて東へ向かう。
タレンの村へ着くが町は破壊されていた。
そのまま町の東のグレートフォレストへ進もうとするとウェアウルフに襲われる。最初のライアンに案内してもらった森でも一度ウェアウルフに襲われていたが、何か手がかりがあるのではないかということでもう少し町を探索する。
井戸を調べるとロープが垂らされていて、中では生き残った住人が生活していた。ここは獣人化する魔法がかけられた人たちの村だった。
中にいる村長と会話。森を抜けるには案内人が必要だという情報を聞き、軽くお礼をすると「あ…ありがとうだと!?そんな言葉は長らく聞いたことがなかった」といたく感動して2つめのジェム、クリスタルをくれる。HPが0になると自動的に復帰させてくれるものらしい。
地下街の南側でビクターという有名な案内人がベッドに寝かされている。
ビクターに話しかけると獣人化し襲いかかってくる。
ある程度攻撃すると「オレは…誰なんだ…」『お前は案内人のビクターだ』「ビク…ター…。そうだ…俺はビクター…人間だ」と人間と獣人の間で悩み始める。
人間らしさを取り戻すんだ!と見ているとエリヤは「いいえ、あなたはもうモンスターよ。コナー、彼を殺しましょう」と煽ってくる。おしとやかな僧侶系キャラかと思ったらやたら好戦的なキャラなんだな。
落ち着きを取り戻したビクターは自分たちにかけられた魔法を解くため、一緒に行き森の道案内をしてくれるという。「一緒に行ってもいいけどまだあなたのこと信用してないわよ」と敵意むき出しのエリヤをたしなめて東の森へ向かう。
森は迷路のようになっているが「花畑を2つ抜けた先にホルブルックある」ビクターが教えてくれる。
花畑を抜けると大木が立っている。通り抜けようとすると地面から根っこが突き出し、人面樹の魔物が襲いかかってくる。
「人類、狼、人か獣など大した違いはない。皆破滅への道を辿るのだ」と脅しをかけてくる魔物。
根っこは何度でも復活し、成功率100%の混乱魔法を唱えてくる嫌なボスだ。
この魔物が獣人化の魔法をかけていたらしいが、倒してもビクターは獣人のまま。なぜ戻らないんだと嘆きはじめる。エリヤは「術者自身が死んでも残る魔法を打ち破るには、もっと強力な反呪文が必要ね。」と分析する。いったい誰がそんなことできるんだ!教えてくれよ!と食って掛かるビクターに、「自分はまだ見習いでそこまで強力な呪文は唱えられない。だけど一緒に魔術の塔へいって高位魔術師ならなんとかしてくれるかもしれない。」と話す。ビクターも同意し再び3人でホルブルックを目指す。
……というところでプレビューエンド。現在遊べるのはここまで。Githubで公開されてるものはもう少し開発が進んでるみたいなので、ソースコードを自分でビルドすればもう少し遊べるのかもしれない。
現在プレイできるのは序盤の2〜3時間程度、全体の1/4くらいのボリュームが公開されている。中途半端に終ってしまうけど、結構良く出来てるので遊べる環境がある人は遊んでみてもいいかもしれない。
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エリヤ、解呪ができない見習いのクセにビクターに辛辣すぎるwww
このRPG、完成を待ってるんですけどねぇ…
このまま完成しないような気がしますね…笑
出来自体はすごく良いので、いいタイミングで発売されていればそこそこ話題になっていたんじゃないでしょうか